静かの基地-
スイス発
バーチャル宇宙脱出ゲーム
「静かの基地」は、宇宙分野におけるスイスの卓越性を、楽しく学んでいただけるアプリです。このゲームは、EPFLの学生団体Space@yourServiceが制作したリアルの脱出ゲーム「スイス、問題が発生していた」を発展させてものです。
月の地震、いわゆる月震が発生し、月面基地は激しく損壊し、酸素レベルが危険なまでに急速に低下していきます。チームメイトと20分以内に謎を解き、ミッションを救わなければなりません。このアプリは、世界で初めて拡張現実(AR)技術を用いた、宇宙がテーマの脱出ゲームです。科学的に裏付けられた、実際の宇宙ミッションに参加しているかのような体験ができます。ゲーム内には、スイスの最新の、卓越した宇宙研究プロジェクトが登場します。2050年には月面基地がどのようになっているかを知ることもできます。ミッションコントロールセンターと月面基地のどちらの部屋でプレイするかを選択した後、もう一方の部屋にいるチームメイトと協力して、謎をひとつひとつ解いて、最悪の事態を回避しましょう。
ゲームセットアップ
2人用 同じWi-Fiネットワークに接続している必要があります。
3mx3mの隔離されたプレイエリアを2か所ご用意ください。
周囲が確認できる明るさの照明環境が必要です。
ゲームの設定通り、相手の声が聞こえないよう、ヘッドフォンで楽しむことをお勧めします。
デバイスの技術的要件: ARCore/ARKit対応 - 加速度センサーとジャイロスコープ - 性能: 最小3GBのRAMと2GhzのCPU
MCC と月面基地を選び、 MCC の端末に表示されるコードを入力しても、ゲームが始まらない場合、 WiFi の設定が端末の相互認識を不可としている可能性があります。サービスプロバイダーにご確認ください。
ゲーム開始前に星を集めるのは、アプリが環境を認識するためです。このとき端末をたて過ぎると、ゲームの世界で視点が高すぎたり、低すぎたりすることがあります。
床が光を反射する場合、端末の動きを正しく認識できない場合があります。
壁や床が白一色など無地の場合、ゲームの世界を正しく再現できない場合があります。
「静かの基地」に登場するスイスの3つの宇宙研究プロジェクト
「静かの基地」はフィクションの世界ではありますが、筋書きや謎解きの問題は、現実の科学に基づいてつくられています。
スイスで実際に進められている研究プロジェクトを、見つけることはできましたか?
ロボガミ(折り紙ロボット)
「静かの基地」の月面基地は、日本の折り紙から直接ヒントを得たロボット「ロボガミ」を組み立てた構造体となっています。ロボガミは、多種多様な構造物をつくれるよう、三角形の、はめ合わせて組み上げることができるMORI (モジュール式オリガミ)で構成されています。宇宙におけるMORIの用途としては、宇宙ミッションのさまざまな場面で役立つ、いろいろな形状の構造物をつくることにあります。
ロボガミはEPFLのリコンフィギュラブル(再構成可能)ロボット研究室(Reconfigurable Robotic Lab RRL)が開発しています。
AMISRU (月の資源利用・積層造形)
「静かの基地」では、地球からの輸送に依存するのではなく、必要な資源を自前で、持続的かつ安価に製造しています。Additive Manufacturing(積層造形)and Lunar In-Situ Resource Utilization(月で入手可能な資源の利用)の頭文字をとったAMISRU は、レーザーと光学処理を取り入れた2つの最先端技術の開発を組み合わせたプロジェクトです。第一に、月面のレゴリス(月の砂)を原材料に、人命維持とロケットの推進剤に使われる酸素を製造します。二つ目は、レゴリスから酸素を抽出した後に残る金属元素を加工し、層として積み上げて、複雑な形状の物体や構造物をつくります。
AMISRUはEPFLのサーモメカニカル(熱機械)メタラジー(金属工学)研究室(Thermomechanical Metallurgy LMTM)が開発しています。
スペースボック
「静かの基地」では、実際的でない、過酷な環境下での対応を迫られますが、スペースボックのようなロボット探査機を頼みとすることもできる設定になっています。スぺースボックは、低重力下で動歩行ができるかどうか、その実現可能性を検証するためにつくられました。地面を歩行できるロボットとして、その能力はとても多様です。足を置く位置を正確に決められるため、砂地の斜面や岩場といった難しい足場にも対処できるのです。長距離のミッションでは、よりエネルギー効率の高い歩き方もできます。このシステムを使えば、これまでのロボットではたどり着けなかった場所にも行けるかもしれません。科学的に非常に重要な場所、例えば地球以外の天体の深いクレーターや峡谷に、人類が初めて到達できる可能性がでてくるのです。
スペースボックはスイス連邦工科大学チューリヒ(ETH Zurich)のロボット・システム研究室(Robotic System Lab RSL)が開発しています。
Space@yourService
Space@yourService (S@yS)は一般の皆さんやEPFLの学生向けに、宇宙科学(天文学、天体物理学、宇宙工学)を普及促進することを目的としたEPFL公認の団体です。この目標を達成するためにS@ySは誰でも参加できる様々なイベントを開催しています。例えば、ローザンヌでのアストロノミー・オン・タップ(Astronomy on Tap Lausanne)は、あちこちのパブで専門家を招いて、宇宙科学に関する話を聞いたり、話し合ったりする企画です。このイベントは、学生たちにとても人気があります。また、この団体の特徴は現在進行中の素晴らしいプロジェクトの多様性にもあります。例えば、アスクレピオス・ミッション(Asclepios mission)は他の天体への短期的な宇宙ミッションをシミュレートすることを目的とした学際的なプロジェクトです。 ほかにも、宇宙探査をテーマにした脱出ゲームを作るなど、S@ySは宇宙科学を一般の人々に広めるための新しいツールを開発しています。